ご紹介するRPM振動板は、「相対抄紙製法」を用いた多層構造のスピーカ用振動板(コーン紙)です。
この振動板は、スピーカーの「音質」を左右する重要な音響物性の最適化を計るため、表面と裏面に異なる物性の材料を選んで多層構造に抄紙成形しています。( 抄紙製法 : 特許第 3517736号、 PCT: WO 03/032684 A1 )
従来の材料に加えて、抄紙が難しかった叩解度50度を超えるパルプ、微細化した化学繊維・無機繊維、金属・鉱物の粉体などを表面に積層できますから、新たな音質と外観を創作することが容易に成りました。
このRPM振動板は、音質性能と外観のほかに環境対策にも優れた多様性のあるスピーカーシステムを提供できます。
* RPM : Relative-Pulp Mold (相対抄紙 )
RPM振動板の構造
右は振動板の断面図です。
- 表面側には、伝播速度の速い高ヤング率と高密度の材料を選びます。特に、硬くて緻密な表面になります。
- 表面の材料と裏面の材料が強固に絡み付いて結合するために剥離しません。
- 裏面側には、表面の物性を考慮した内部損失と剛性の適した材料を選びます。スピーカーの裏側のため材料の染色が不要です。
( RPM相対抄紙振動板・基本材料仕様書を参照 )
音質の特長
RPM 振動板は、異なる材料を2層または多層構造にして、過度特性の影響を見ながら音質を調整できます。
例えば、音像の鮮明さと応答性を調整するには、表面側に伝播速度の速い高ヤング率・高密度の材料を選んで、裏側との重量比を探れば改善できます。また、音色と定位を改善するには、裏面側に内部損失と高剛性のバランスを考慮して材料を選び内部損失が適度になる重量比を探れば良いのです。
外観の特長
RPM 振動板は、表面が緻密で上品に仕上がるため、綺麗で多彩な色の外観を得られます。
従来の抄紙振動板には無い、高叩解度のパルプや多彩な色調の雲母、純白の酸化チタン、カーボン繊維などを抄紙成形して樹脂含浸や樹脂塗装したとき、デザイン性に優れた商品価値の高い外観を選られます。
環境への影響
RPM振動板は、環境負荷の最も少ない特許製法「相対抄紙製法」で抄紙しています。
< 従来の抄紙製法と比較 >
- 抄紙工程の廃水を元の工程に循環しますから、給水量を70%~95%削減します。
- 二次抄紙以降の材料は染色の必要がありませんから、染料の使用量を65%~75%削減します。
- スラッジ (抄紙廃液中のパルプ・染料・薬品) などの産業廃棄物を殆ど排出しません。
価格の範囲
RPM 振動板は、従来の安価品 (パルプ100%の物) より少々高く成りますが、主に高価な材料は表面に使うため、使用量が少なく価格的に有利です。
適用の範囲
RPM 振動板は、PC用小口径スピーカからPA用大口径スピーカまで、全ての機種を生産できます。
他に、環境 (Ecology) ・難燃・軽量・防水スピーカーにも対応できます。
振動板断面写真
表面(着色面)と裏面(白色部分)
表面は外観と高ヤング率素材のみに限定した材料構成
裏面は無着色、内部損失と高剛性に限定した材料構成
